サン・テグジュペリの「星の王子さま」と言えば、1943年の出版以降、80年以上経った今もなお世界中で多くの人々に愛され、読み継がれている不朽の名作。
でも、どんな話?って聞かれたら、説明が難しくないですか?
なんとなく分かったような、分からないような、でもなんだか無性に心に響く(大人になってから読み返すと特に)」。

これまで何度も様々な形で映像化されてきていますが、今回夢子がおすすめしたいのは、1974年公開(日本公開1975年)、スタンリー・ドーネン監督の映画「星の王子さま」。
スタンリー・ドーネン監督と言えば、ジーン・ケリー主演の「雨に唄えば」や、フレッド・アステア、オードリー・ヘップバーン主演の「パリの恋人」でも知られる世界的ミュージカル映画の巨匠!
本作もミュージカル形式ではありますが、所々、歌やダンスシーンがある程度で場面的にはそれほど多くないので、ミュージカル苦手な方でも受け入れられるのでは。

もう、オープニングクレジットから可愛い(夢子好み!)、そして美しい音楽に心を掴まれます。
そしてなんと言っても、星の王子さまを演じるスティーブン・ワーナーの愛らしさったら!
金色の柔らかそうな巻き毛の男の子、、、まるで本の世界から飛び出てきたよう。
ちなみに、スティーブン・ワーナーですが、ちょっと検索してみたところ、1978年以降メディアへの出演情報が一切出てこないらしく、恐らく引退しているようですね。(もう会えないところも星の王子さまっぽい。)
重要な登場人(?)物、、、「バラ」や「ヘビ」、「キツネ」もちゃんと出てきますよ。(演じているのは人間!)
注目ポイントなのが、「ヘビ」を演じているのは、なんとボブ・フォッシー!
ボブ・フォッシー(Bob Fosse)
20世紀を代表するアメリカの振付師、演出家、映画監督。
肩をすくめる動きや猫背、帽子を使った独特のスタイルで知られ、ブロードウェイとハリウッドで活躍した。
代表作には、ミュージカル『シカゴ』『キャバレー』、そして自伝的映画『オール・ザット・ジャズ』などがある。
原作と比べると、星の王子さまが訪れるいくつかの星のエピソードがちょっと違ったり、話が端折られていたり、映画オリジナルの場面があったりと少し異なる部分はありますが、全編を通し「星の王子さま」の世界観そのままのとても素敵な作品です。

最後に・・・
冒頭、どんな話?って聞かれたら説明するのが難しいと書いたけれど、、、
解釈するのは難しいけれど、心に深く響くものがある。
それはきっと、大人になって見えなくなってしまった、本当に大切な何かに気づかせてくれるからかも。
世界中で今もなお愛されている理由が、読み終えたときに分かる、そんな一冊です。
とてもかんたんなことだ。
ものごとはね、心で見なくてはよく見えない。
いちばんたいせつなことは、目に見えない。
〜引用元:新潮文庫「星の王子さま」より〜