「雪女」〜ラフカディオ・ハーン 新編 日本の怪談より〜

もう8月も終わろうというのに、この異常な暑さ・・・。すっかり家に籠り気味の夢子です。

歳時記が合わなくなるぐらい季節がなくなった近年、そんな中でもやっぱり夏はお約束の怖い話!ですよね?
(夏休みのお楽しみと言えば「あなたの知らない世界」。昭和生まれの夢子です。)

以前、そういえば「雪女」って知ってるようで、ちゃんと知らないかも?と思って買ってみたラフカディオ・ハーンの「日本の怪談」。
(↓この時)

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)とは

小泉 八雲(Koizumi Yakumo)(ラフカディオ・ハーン)
ギリシャ生まれ。アイルランド系の血をひく新聞記者出身の作家。
1896年に松江の士族の娘である小泉セツと結婚し、日本に帰化して「小泉八雲」となりました。
『雪女』はじめ『怪談』の話は、セツが語り手として伝えた話が基になったという話は聞いたことがあるかもしれません。
小泉 八雲は、日本各地の伝承を採集・再話し、英語圏に紹介。
地元では「ヘルンさん」として親しまれた話が良く伝えられています。

「雪女」作品紹介

ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)が『怪談(Kwaidan)』(1904)に収めた短編「雪女」は、武蔵国の木こり・茂作と年季奉公の少年・巳之吉が、吹雪の夜に遭遇した“白い女”の物語。

彼女は茂作の命を奪いながらも、若い巳之吉だけは「今夜のことを誰にも言うな」と命を助ける――やがて巳之吉は“お雪”という娘と出会い、夫婦となり子を授かるのですが、ある晩、灯のもとでうっかり「あの夜の女」のことを語ってしまい…。

「雪女」の中に潜む教訓?

「雪女」に今更ネタバレも何もないと思いますが、、、
結末に触れるので知りたくない方はご注意を!




雪女。自ら現れ、正体がバレたら突然消え去る・・・。

夫婦だしそれ(昔雪女に会ったこと)くらい言っても良くない?巳之吉別に悪くなくない?
子供たちも生まれ、何年もの間幸せに暮らしてたのに・・・。

※約束を破ってしまった巳之吉ですが、子供達に対する雪女の温情もあり、命を取られることは免れます。


結局、雪女は何がしたかったわけ?
(この手の話で思い出される「鶴の恩返し」も然り)、と思ってしまった夢子。

どうやら「雪女」の物語には、「約束を破ることの恐ろしさ」と「自然の持つ圧倒的な力と畏怖」という教訓が潜んでいるらしい。

「安易な約束はすべきではない」とか「一度した約束は、命をかけても守らなければならない」とか、「信頼を裏切る行為は、取り返しのつかない悲劇を招く」とか、ちょっと厳しすぎるお言葉が。(by Google先生)

自然の恐ろしさは、まぁ、それはそうだろう。(この夏の電気代に慄く夢子)

外国版「雪女」

海外にも「雪女」的な話があるのかな?と思い、ちょっと調べてみました。

どれも“こわ美しい”。
直接的な怖さの輪郭は国ごとに違っても、雪女と同じく“美と禁忌”が主題になっているみたい。

雪娘<スネグーロチカ>(ロシア)
雪から生まれた不思議な女の子「雪娘」は、美しく、純粋で優しい心を持っていたが愛を知らずに育つ。
やがて恋をする彼女の運命は、温かい季節の訪れとともに大きく変わっていく…。

ラ・ヨローナ(メキシコ)
昔、美しい女性が悲劇的な出来事を起こし、深い悲しみから亡くなる。
彼女の魂は安らぐことができず、今もなお、「泣く女(ラ・ヨローナ)」として水辺をさまよっていると伝えられている。

ルサルカ(スラヴ圏)
水辺に住む美しい水の精ルサルカは、生前に恋人に裏切られ、悲しい死を遂げた女性の魂だと言われている。
彼女は夜な夜な水辺に現れ、魅力的な歌声で若者を誘い込み、水の中へと引きずり込もうとする…。

最後に・・・

幼少の頃から物語好きだったというセツさん。
*セツさん=ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の奥さん。

そのセツさんが語った物語が魅力的で、耳なし芳一や雪女など、彼女の口承がラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の筆を導いたと伝えられているそう。

小泉夫妻をモデルにしたNHKの朝ドラ「ばけばけ」もいよいよ来月からスタートしますね!

あまり詳しくない夢子は、NHKの朝ドラになると知った時、小泉八雲ではなく、奥さんがメインなの?と不思議に思ったのですが、セツさんなくして「日本の怪談」の誕生はなかったんですね!

小泉八雲は「この本、みなあなたのおかげ」と妻への感謝を忘れなかったそうです。


この本、みなあなたのおかげで生まれましたの本です。

世界で一番良きママさん。


小泉一雄『父小泉八雲』より
https://www.hearn-museum-matsue.jp/exhibition-setsu.html?utm_source=chatgpt.com

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