ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た。
どこか現実から切り離されたようなその場所には、
かつてこの屋敷に生きていた“彼女”の気配が、今もなお色濃く残っているのです。
今回ご紹介するのは、ヒッチコック監督による映画『レベッカ』。
亡くなった前妻の影に静かに追い詰められていくヒロインの姿を描いた、ゴシックロマンの名作です。

作品紹介
【作品名】
レベッカ(1940年)
<原題:Rebecca>
【スタッフ・キャスト】
<監督>
アルフレッド・ヒッチコック
<原作>
ダフネ・デュ・モーリア
<出演>
ローレンス・オリヴィエ
ジョーン・フォンテイン
※フォンテインは本作『レベッカ』 でアカデミー主演女優賞を逃したものの、翌年公開された同監督の『断崖』で見事アカデミー主演女優賞を受賞
【あらすじ】
旅行先のモンテカルロで偶然英国貴族のマクシムに出会い、後妻に迎えられた”わたし”。
だが、彼の邸宅マンダレーでは海難事故で溺死した美貌の先妻”レベッカ”の見えない影が全てを支配していた・・・。
おすすめポイント
①サスペンスの傑作!
重厚感のある古いお屋敷を舞台に、亡くなった先妻の見えない影に追いつめられていく美しいヒロイン。
そのジワジワくる心理描写はさすがヒッチコック!
観ているこちら側も、まるで霧がかった夢の中をさまよっている気分になります。
②影の主役?!ダンヴァース夫人
先妻レベッカを崇拝する家政婦頭のダンヴァース夫人。
その得体の知れない不気味さがすごい!
その存在は、まるで“彼女”の影をそのまま引き継いでいるかのよう。
(この映画の肝はダンヴァース夫人だと思うのです。)


③原作はヒッチコック映画「鳥」でも有名なデュ・モーリア
原作は英国人女流作家ダフネ・デュ・モーリア。
デュ・モーリア作品にハズレなし!(と夢子は思っています。)
彼女の作品って、基本的に不穏な空気が漂っている・・・気がします。
でも、どこか幻想的でロマンチックなモノを感じるんですよね。(やはり作者が女性だからかしら?)
そのどこか不穏で美しい世界観に、静かに引き込まれていくのです。

まとめ
モノクロ映像が物語の世界観にぴったり。
霧がかったような空気の中で、静かに物語が進んでいきます。
亡くなったはずの前妻の影に追い詰められていくヒロイン。
そして、その影を現実のもののように感じさせるダンヴァース夫人の存在。
どこか現実から切り離されたようなマンダレーの屋敷で、
“見えない存在”がすべてを支配しているかのような、不思議な感覚に包まれます。
数年前にはNetflixで新たに映像化もされ、
現代的な解釈で描かれた『レベッカ』を見比べてみるのも、またひとつの楽しみかも。
まるで遠い夢の中に迷い込んだような、静かで美しい余韻が残る作品でした。
ゆうべ、またマンダレーに行った夢を見た――そんな言葉が、ふとよみがえるような。


